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母国開催のラグビーワールドカップの可能性が、ジンバブエ代表Ian Priorの現役続行の原動力に

ラグビーアフリカ男子カップ王者であるジンバブエは、今週土曜日、ウガンダ・ナンブーレでナミビアと対戦します。この試合の勝者が、2027年男子ラグビーワールドカップへの出場権を獲得します。

ジンバブエ代表のIan Priorは、この週末にかかる意義を意識しないのは難しいと語ります。

ナミビアは1999年の初出場以来、男子ラグビーワールドカップに連続出場してきました。一方のジンバブエ代表「サーブルズ」は、1991年の出場を最後に本大会から遠ざかっています。

オーストラリア生まれでジンバブエ人の両親を持つPriorにとって、「母国開催のワールドカップ」でジンバブエ代表としてプレーする可能性は、非常に特別な意味を持っています。

「こういう試合こそ、選手としてプレーする理由なんです。グランドファイナルのような試合です。こうしたゲームは、選手だけでなく、運営陣やコーチ陣のキャリアの流れをも変え得るものです。本当にワクワクしていて、今週末その一部になれるのは素晴らしいことです」と、元ウェスタン・フォースの選手であるPriorは語ります。

「僕たちはチャンスを手に入れました。この1年から1年半の間に、チーム内外の多くの人々が努力してきた成果です。今こそ、この機会を心から楽しむときです。ワールドカップ出場権をかけてプレーするなんて、本当にワクワクすることです。そしてチームとしてクールなのは、まだこの大会で自分たちのベストのプレーを出せていないということです。」

得点マシーン

ジンバブエは、雨が降るなか粘るモロッコ代表を43対9で退けてラグビーアフリカ男子カップ準々決勝を突破。続く準決勝ではケニアを29対23で破り、見応えのある勝利を収めました。

サーブルズは、ゴールキックに頼ることなく、自陣深くから自由に展開し、美しいトライを決めるスタイルで知られています。

とはいえ、Priorのキックがこの2勝に大きく貢献しました。彼は合計37得点を挙げ、チーム全体の得点の半分以上を一人で記録。特にケニア戦では、試合終盤に勝負を決めるドロップゴールを成功させました。

「初戦は雨でぬかるんでいたし、2試合目のケニア戦では守備でかなりプレッシャーを受け、彼らのフィジカルも強かったです。なので、僕たちは自分たちの持ち味であるアタッキングゲームを、思うようには発揮できませんでした」

「でも、そうした条件や相手に対応しながら、テストマッチにふさわしい内容を見せることができたのは、僕らがしっかり調整できている証拠だと思います」

Priorは、ナミビアとの決勝も激しい肉弾戦になると予想しています。昨年の準決勝ではジンバブエが32対10で勝利。実に23年ぶり、通算で3度目のナミビア撃破でした。

「彼らは素晴らしいチームです。過去7大会連続でワールドカップ出場を果たしてきましたからね」

「よく訓練されたチームで、守備のプレッシャーも強く、セットピースも安定しています。僕たちとしては、自分たちのツールを最大限に活用して、80分間のなかでベストのプレーを出す必要があります」

「最終的に勝敗を分けるのは、その80分間で誰がそれを実行しきれるかという点に尽きます」

この機会を無駄にしないために

Priorは、クイーンズランド・レッズ時代にスーパーラグビー優勝を経験。ウェスタン・フォースでは100試合以上に出場し、昨年フルタイムのプロラグビーから退きました。

RWC 2027が開催される頃には、彼は37歳になっています。ジンバブエ代表としてワールドカップに出場できることは、彼にとってまさに「理想的な引退の形」だといいます。

「過去の大会で決勝まで進み、出場に王手をかけたことがあるのかどうか、正直あまり知らないんです。でも、今回こうして自力でここまで来られたことは本当に嬉しいです」

「ワールドカップという『ご褒美』が、今も走り続ける理由です。朝5時半に起きてジムに行って、それから仕事に出て、子どもを迎えに行って、自主トレして。僕はもうフルタイムのプロ環境にはいないので、地元の公園や所属クラブのAssociates RUFCでボールを蹴っています」

「まるでプロを目指していた若い頃に戻ったみたいです。仕事や勉強の合間に、ひたすら練習していたあの頃のように。今では若い家族もいて、妻もいます」

「彼らは僕の犠牲を理解してくれています。家族と離れて過ごす時間ですから。だからこそ、この週末はその努力を実らせる場にしたいです」

これまでにジンバブエ代表で6キャップを獲得し、80得点を記録。テストマッチでの黒星はまだありません。彼はこのジャージを、誇りをもって着用しています。

「スーパーラグビーで14年プレーしながら、常にテストマッチでの出場を目指してきました。自分のルーツである国、家族全員が出身のジンバブエを代表すること。僕だけがオーストラリア生まれですが、それでもこのユニフォームを着るのは本当に特別なことです」

夢の舞台

ナミビア代表ヘッドコーチのJacques Burgerも、祖国への誇りを人一倍強く抱いています。

現役時代、フランカーとして3度のワールドカップに出場した彼は、今度は指揮官として4度目の挑戦を目指しています。2007年、2011年、2015年大会での経験を、選手たちにも味わってほしいと語ります。

ナミビアは、アルジェリアを21対7で下して今大会の決勝へ進出。8大会連続出場に向けて、順調に歩みを進めています。

「国歌を歌いながらピッチに立つときの誇り。それは言葉では言い表せません。母国の人々が応援してくれていることを感じながら、そしてスタジアムにも多くの声援がある。その瞬間に勝るものはありません」とBurgerは語ります。

「世界最高峰の選手たちとプレーするチャンス。それは、選手として得られる中でも最高の体験のひとつです。私は運良くその経験を何度も味わうことができました」

「この場にいるすべてのチームが、同じものを目指して戦っています。ワールドカップで国を代表すること。それがすべてです」

「選手としてのキャリアは永遠には続きません。でも、そこで得た思い出は一生残るものです。だからこそ、私たちは全力で、仲間とともに最高の記憶を作りたいと思っています」

「ワールドカップ出場が最終目標です。そのためにできることはすべてやります」

なお、今週末に敗れたチームにも、RWC 2027出場の可能性は残されています。準優勝チームは翌週、アジア/アフリカ・プレーオフでアラブ首長国連邦と対戦し、11月に行われる最終予選トーナメントへの出場を争います。

写真提供: Rugby Africa

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