MASTERBRAND_TAPE_GRAPHICS_GREEN_RGB_Desktop
MASTERBRAND_TAPE_GRAPHICS_GREEN_RGB_Desktop

女子日本代表が谷口の3トライでスペインに勝利、マッケンジーHCは練習の成果を評価

サクラフィフティーン女子日本代表はスペイン代表とテストマッチ2連戦の第1戦を7月19日に福岡県北九州市で行い、HO谷口琴美の後半の3トライで32-19の逆転勝利。レスリー・マッケンジー女子日本代表ヘッドコーチは、取り組みの成果を評価した。

8月22日にイングランドで開幕する女子ラグビーワールドカップ2025でも対戦する両チームが、本大会を前に「太陽生命ジャパンラグビーチャレンジシリーズ2025」での対戦で準備状況をチェック。日本は前半リードを奪いながら、後半相手の反撃を受ける苦しい展開だったが、粘り強さとFWを活かしたプレーで逆転勝利につなげた。

 マッケンジー女子日本代表ヘッドコーチは、ホームのファンの前での勝利に「苦しい展開を切り抜けて勝てたことは素晴らしい。とても特別なもの。これまでの練習の成果を確認することができた」と笑顔だった。

 日本の立ち上がりは良かった。前半8分、ラインアウトからモールで持ち込んでPR小牧日菜多が先制トライ。17分には敵陣22メートル内のスクラムを起点に、トライライン目前でパスを受けた小牧がターンで相手をかわして2連続トライを決め、日本が10-0とリードした。

 2017年大会以来2大会ぶりのワールドカップ出場を前に調整中のスペインも、32分にLOモニカ・カステロが5点を返したが、日本はSO大塚朱紗のPGで3点を加えて前半を13-5で折り返した。

 しかし、後半開始からスペインが反撃。後半9分にSOアマリア・アルグードが22メートルライン付近から抜け出してトライ。コンバージョンも決めて1点差とすると、9分後にはラインアウトモールから後半交代出場のSHアネ・フェルナンデス・デ・コレスが持ち出し、最後はCTBサイア・ペレスが押さえて5点を追加。コンバージョンも決まって19-13と逆転した。

 ところが、スペインは後半25分にデ・コレスがイエローカードを受けて一時退場。日本は数的優位を得た間に2トライを決めて流れを奪い返した。

 後半27分、日本はスクラムからフェーズを重ねて途中出場したばかりの谷口がトライ。ベンチスタートだった山本実のコンバージョンも決まって20-19と逆転に成功すると、32分にもラインアウトモールで押し込んで谷口が5点、山本が2点を追加して8点差とした。試合終了直前にもモール攻撃から谷口が押さえてハットトリックを達成。日本が32-19で勝利を掴んだ。

スペイン、本大会への参考に

 スペインは後半、ランを活かして日本の守備のギャップをついて得点につなげるなど、良さも発揮。流れを掴みかけたが、一時的数的不利が響いた。

 スペイン代表のフアン・ゴンザレス・マルエコスヘッドコーチは、「後半良い時間帯もあったし、一人ひとりが努力していたので大満足だ。この2試合を通して、自分たちが本大会へ向けてどう戦略を立てるべきかが分かる」とプラス面を指摘する。

 スペイン指揮官は、「日本はモールが非常に強くて一体感があり、バックスともよく連係していた」と述べて、「それを踏まえて、次の試合への一週間と本大会までの1か月でスキルアップをはかりたい」と話した。

 日本とスペインは本大会のプール第3戦(9月7日、ヨーク)で対戦する。

 スペイン代表のCTBアルバ・ビヌエサ主将は、「今日は負けたが、自分たちに何が足りないかに気付くことができたので、これをもとに来週の対戦へ向けて改善して準備したい」と明るかった。

向来キャプテン「準備してきたものを出せた」

 日本のスペイン戦勝利は2023年7月のスペイン遠征でのテストマッチ(27-19)以来で通算成績は2勝2敗。今季のサクラフィフティーンの戦績では、4月のアウェイでのアメリカ戦、優勝した5月のアジアラグビー・エミレーツ・チャンピオンシップの2連勝に続く4連勝となった。

 前半はPP小牧日菜多の2トライ、後半はHO谷口琴美の3トライと、FWを活かしての得点で、マッケンジー女子日本代表ヘッドコーチはFWコーチの指導を称えた。

 「ここ数年、セットピースの練習に選手と努力を積み上げてきたマーク・ベイクウェルのおかげ。努力の賜物であり、選手のモチベーションになる」と指摘。さらに、「選手たちが何時間もかけてきたものを試合で体現していることは、指導者冥利に感じる部分だ」と言った。

 キャプテンを務めたFL向来桜子も、「私たちがずっと準備してきたものを体現できたし、全員がこの試合を楽しんで戦えたことをとてもうれしく思う」と言う。

 後半開始から相手に反撃された場面について、向来は「疲れなどで自分たちの流れに持ってこられない場面が続いたが、後半、自分たちで反省してディフェンスから徹底した」と振り返り、「自分たちのミスで相手に入られることが多かったが、全員が主体性を持ってしっかりコールできていたので、チーム全体で落ちることはなかった。チーム全体がよかった」とチーム力を勝因にあげた。

 日本とスペインの第2戦は7月26日、東京の秩父宮ラグビー場で行われる。

RWC MASTERBRAND_GRAPHIC_BORDER_01_HERO_COLOURWAY_RGB
RWC MASTERBRAND_GRAPHIC_BORDER_01_HERO_COLOURWAY_RGB
RWC MASTERBRAND_GRAPHIC_BORDER_03_HERO_COLOURWAY_RGB