女子ラグビーワールドカップ2025を前に盛り上がりを感じている方も、長年楕円球を追いかけてきた方も、この「ラグビー解説」シリーズで楽しみながら理解を深めていただければと思います。
まずは15人制ラグビーの各ポジションを順番に紹介し、その役割とポイントを解説します。
最初に取り上げるのは、フロントローの要(かなめ)となるポジション:フッカーです。
フッカーとは?
フッカーはセットプレーにおいてチームの中でも重要な役割を担う選手です。名前の由来は、スクラムでボールを足で「フック」して自分のチーム側にかき出すことにあります。
また、ラインアウトではボールを投げ入れる役割も担当。さらに近年ではトライランキングの上位に名前が出ることも珍しくありません。
相手陣22m内でのモールからの攻撃はもちろん、機敏さやハンドリング技術を活かし、オープンプレーでも存在感を発揮するフッカーが増えています。
どこに並ぶ?
スクラムでは、フッカーは2人のプロップの間に入り、フロントローを形成します。
伝統的には、相手フッカーと競り合いながらボールを自陣側へとフックし、セカンドローを経由してナンバーエイト、そしてスクラムハーフへと渡し、攻撃の起点やプレッシャー解除につなげます。
ラインアウトでは、自チームのスローイン時にボールを投げる役目を担います。
背番号は?
フッカーは伝統的に背番号「2」を着用します。
優れたフッカーに必要な資質:
機敏さ、パワー、繊細なボールハンドリング、正確無比なスローイン、そしてスクラムや接点で体を張る覚悟。
RWC 2025で注目すべきフッカーは?
イングランドは以前ほどドライビングモールに依存していませんが、Lark Atkin-DaviesとAmy Cokayne は依然としてトライを奪う力を持っています。この2人はスクラムでの駆け引きにも長け、ラインアウトスローは正確無比、さらにオープンプレーでも厄介な存在です。
また、PWR入りを控えるニュージーランド代表(ブラックファーンズ)のGeorgia Ponsonbyは少しタイプの異なるフッカーです。元ナンバーエイトの彼女は、フィジカルとダイナミズムを兼ね備え、スクラムとラインアウトでも高い技術を発揮します。