外は荒れた天気でしたが、準々決勝のディフェンスはどれも恐ろしいほど強烈でした。4試合すべてが、ボールを持たなければ勝てないことを知っているアンダードッグたちに対し、容赦のないディフェンスで挑む展開となりました。ではなぜ、準決勝に進出したチームのうち半分しかポゼッションで優位に立てなかったのでしょうか。
今週のスタッツ
ニュージーランドは今週、“雄牛の角をつかむ”ような戦いを見せました。準々決勝の南アフリカ戦(46-17勝利)で、彼女たちは8秒に1回タックルを決めました。これはロデオの騎手が得点を得るために牛の上に留まらなければならない時間と同じです。
ロデオの騎手は牛に振り回されますが、ブラックファーンズの場合はその驚異的なディフェンス力で試合を支配しました。南アフリカ戦で記録した283タックルは、今大会最多です。
2番目に多いのはフランスで、アイルランド戦(18-13勝利)で252タックルを記録しました。両チームともポゼッションはわずか35%でした。ではなぜ両チームとも勝利できたのでしょうか。そしてニュージーランドはどうやって29点差をつけたのでしょうか。
トライを取るにはボールが必要です。しかし、長時間保持する必要はありません。ニュージーランドは91回のキャリーから8トライを挙げました。つまり12回に1回のキャリーでトライを奪った計算です。
一方、南アフリカは178回のキャリーから3トライのみ。59回に1回のキャリーでようやくトライでした。すべてのキャリーが同じ価値を持つわけではありません。
ニュージーランドは85.7%のキャリーでゲインラインを突破しました。ゲインラインとはブレイクダウンごとにピッチを横切って引かれる仮想ラインで、突破すれば前進できたことを意味します。南アフリカは57.3%にとどまりました。
キャリー数は南アフリカが多かったものの非効果的で、最終的にはニュージーランドより113m少なくしか前進できませんでした。その結果、ニュージーランドは22mエリア侵入数で2倍(14対7)を記録し、1回の侵入あたりの得点も上回りました(3.3点対2.4点)。
つまり、ポゼッションは試合内容をある程度語ってくれますが、「勝つべきチーム」を教えてくれるわけではありません。大事なのは、ボールをどれだけ持っていたかではなく、それをどう使ったかです。
エリートのキック技術
雨のアシュトン・ゲートで、イングランドは天候に合ったゲームプランを展開しました。37回のキックで合計1km以上を記録し、いずれも今大会最多です。
スコットランドも26回のキック(6位)で889m(4位)を記録しましたが、陣地獲得率ではイングランドに及ばず54%対46%で敗れました。1回あたりのキック距離ではスコットランドが上でしたが、なぜ負けたのでしょうか。
キックには3つの結果があります。相手がランで返す、相手が再びキックする、もしくはタッチに出て相手ボールのラインアウトになる(50/22を除く)。
日曜日の試合で、イングランドは13本のラインアウト、スコットランドは19本を得ました。ラインアウトは優れた攻撃の起点であり、今大会の全トライの37%がラインアウトから生まれています。しかしイングランドはなぜスコットランドに多くのチャンスを与えたのでしょうか。それは、ラインアウトで奪える自信があったからです。スコットランドは19本中11本しか確保できず、イングランドは13本中12本を成功させました。8本のターンオーバーがイングランドに不意を突いた攻撃の機会を与えました。
雨天では自陣からのランはリスクが高く、そのリスクを相手に押し付けるのが長いキックです。イングランドはその圧力を感じながらも、状況に応じてロングキックを選択し、試合の流れを引き戻しました。
アイアン・ウーマン
準々決勝終了時点で、全試合の全時間(計320分)に出場した選手は8人いました。
Francesca McGhie、Rhona Lloyd、Emma Orr(以上スコットランド)、Georgina Freidrichs、Maya Stewart、Piper Duck(以上オーストラリア)、Byrhandre Dolf(南アフリカ)、そしてJulia Schell(カナダ)です。
スコットランド、オーストラリア、南アフリカが準々決勝で敗退したため、今大会すべての試合・全時間に出場できる可能性が残っているのはSchellだけとなりました。これは今週末、スタッツファンが注目するポイントとなるでしょう。