シンプルに言えば、Magali Harveyにとってカナダには女子ラグビーワールドカップのトロフィーを初めて掲げるだけの人材と計画が揃っています。必要なのは、ひとつの条件が味方することだけです。
「天候は大きな役割を果たすと思います。彼女たちのようなスタイルは、大雨の中では本当にやりづらいですから」と2014年大会でカナダの決勝進出を牽引した元ウィングのHarveyは笑いながら語りました。
「でも勝てるかどうかで言えば、紙面上では間違いなく勝てます。十分なチーム力を持っています。」
「素晴らしい」
カナダが準決勝まで進んできた道のりは圧巻でした。193得点を挙げ、失点はわずか31。オールコートな戦いぶりは、多くの人々を驚かせています。特に35歳のHarveyにとっては感慨深いものでした。彼女はKevin Rouetヘッドコーチが初めてマスタープランを打ち出したとき、トレーニングピッチに立っていたからです。
「2023年にチームの一員として練習していて、『ああ、これが彼の目指すスタイルなんだ』と理解しました。過去の戦略とはまったく違うものでした」と今年4月に現役を引退したHarveyは振り返ります。
「素晴らしいと思います。ポジションに関係なく、誰もがスクラムハーフのようにプレーでき、15〜20メートルのパスを供給できる。そうした多才な選手たちがいることで、予測不能性が生まれます。
カナダが自分たちのテンポを押しつけ、相手が誰であっても自分たちのスタイルでプレーできれば。そして相手に敬意を払いすぎて時間やスペースを与えないこと。それができれば、カナダは勝てると本気で思っています。私は信じています。」
「美しい旅路」
ウェールズ、フィジー、スコットランドに勝利したプールBの試合でも「美しい瞬間」はありましたが、Harveyが本当にこのチーム金曜夜の準決勝(ブリストルで現地時間19時30分キックオフ、チケットはこちら)でニュージーランドを突破できると確信するきっかけとなったのは、オーストラリアに対する46-5という圧倒的勝利でした。
「オーストラリア戦は本当に美しかったです。速いテンポでプレーしようとしてきたすべての積み重ねが実を結び、ミスも減りました。とてもエキサイティングなラグビーになりました」とHarveyは語ります。
元ウィングの彼女は、世界ランキング2位のカナダが真の優勝候補としてRWC準決勝に立つまでの道のりを誰よりもよく知っています。
「カナダは予算もなく、プロ契約もないため、多くの面で創意工夫をしなければなりません。なんとかやりくりする方法を見つけるしかないんです。」
その象徴が、RWC2025に向けて100万カナダドルを集めようとした資金調達の取り組みでした。しかし、いまこの舞台に立ってしまえば、不平等の話は意味をなしません。重要なのは、この瞬間をつかみ取るという強い意志です。
「準決勝や決勝は国をひとつにします。だから今、カナダはとても盛り上がっています」とHarveyは説明します。
「これは美しい旅であり、私は彼女たちを本当に誇りに思います。」
「自由なラグビー」
あとは、この旅を完璧な形で終えるだけです。まずは6度の優勝を誇るニュージーランドを倒すことから。カナダは2024年のパシフィック・フォーシリーズでニュージーランドに22-19で勝利し、直近の5月の試合では引き分けています。
「南アフリカ対ニュージーランド戦を見れば(前半10-10の接戦から後半にニュージーランドが46-17で勝利)、ニュージーランドが止められない相手ではないことが分かります。南アフリカは疲れてしまい、ディフェンスを維持できませんでした。
私が見たいのは、相手が誰であっても臆さないカナダです。もちろん相手への敬意は必要ですが、それが行動を縛り、チャレンジを止めてしまうようではいけません。
自由な発想でラグビーをし、速いテンポで動かし、誰もがポジションにとらわれず目の前のプレーをするチームであってほしいのです。」
それができれば、2014年の決勝の再現が訪れるでしょう。ただし、今回は結果が違う形で。