4週末にわたる9試合の戦いを経て、アサヒスーパードライ パシフィック・ネーションズカップ2025はいよいよ最終決戦を迎えます。
準決勝が行われたコロラド州デンバーに続き、今回も標高の高い地での挑戦となります。地元ファンが応援するアメリカは、先週末にサモアを破って5位決定戦を制し、男子ラグビーワールドカップ2027の出場権を獲得して大会を終えましたが、今大会にはまだ多くの見どころが残されています。
日本は2019年以来のタイトル獲得を果たせるのか。フィジーは7度目のPNC制覇を狙えるのか。昨年は5位決定戦を戦ったトンガとカナダのどちらが、今年は3位に食い込むのか。そして、サモアか、南米選手権2025で準優勝したチリか。プレーオフ初戦を制するのはどちらか。
答えは、ユタ州ソルトレークシティのアメリカ・ファースト・フィールドで行われる3試合連続の対戦の後に明らかになります。
サモア 対 チリ
会場: アメリカ・ファースト・フィールド(ソルトレークシティ、ユタ州)
レフリー: Andrew Brace(アイルランド)
アシスタントレフリー: Luke Pearce(イングランド)、Lex Weiner(アメリカ)
TMO: Marius van der Westhuizen(南アフリカ)
決勝日の幕開けを飾るこの試合には大きな意味があります。2試合制のプレーオフ(第2戦は来週チリ・ビニャデルマルで開催)の勝者が、男子ラグビーワールドカップ2027の第23番目の出場枠を手にします。
敗者にも11月にドバイで行われる最終予選トーナメントで最後のチャンスが残りますが、両チームとも一刻も早く出場権をつかみたいはずです。
1991年以来すべてのワールドカップに出場しているサモアは、今年のPNCを先週末のデンバーでのアメリカ戦(13-29で敗戦)で締めくくり、このプレーオフに回りました。この試合では危険なタックルでレッドカードを受けたTuna Tuitamaを欠きます。
一方のチリは、8度目の挑戦でようやくフランス大会に初出場を果たしたばかり。2027年オーストラリア大会を逃すわけにはいきません。南米選手権決勝ではウルグアイを最後まで追い詰め、合計37-46と接戦でした。
試合登録メンバー
サモア代表(1-15): Aki Seiuli, Pita Anae Ah Sue, Michael Alaalatoa(主将); Benjamin Petaia Nee-Nee, Michael Curry; Olajuwon Noa, Alamanda Motuga, Iokopo Mapu; Connor Tupa’i, Christian Leali’ifano; Latrell Ah Kiong, Theodore Steffany, Melani Nanai, Elisapeta Alofipo; Logali Visinia
リザーブ: Ray Niuia, Jarred Adams, Bradley So’o Amituanai, Potu Leavasa, Abraham Papali’i, Joel Lam, Henry Taefu, Tomasi Alosio
チリ代表: Javier Carrasco, Diego Escobar, Iñaki Gurruchaga; Santiago Pedrero, Javier Eissmann; Raimundo Martínez, Clemente Saavedra(主将), Alfonso Escobar; Benjamín Videla, Juan Cruz Reyes; Iñaki Ayarza, Santiago Videla, Matías Garafulic, Nicolás Garafulic; Cristóbal Game
リザーブ: Augusto Böhme, Norman Aguayo, Matías Dittus, Bruno Sáez, Ernesto Tchimino, Lucas Berti, Nicolás Saab, Tomás Salas
トンガ 対 カナダ
会場: アメリカ・ファースト・フィールド(ソルトレークシティ、ユタ州)
レフリー: Eoghan Cross(アイルランド)
アシスタントレフリー: Lex Weiner(アメリカ)、Luke Rogan(オーストラリア)
TMO: Mike Adamson(スコットランド)
昨年の5位決定戦で対戦した両チームが、今度は3位決定戦で再び顔を合わせます。
準決勝では両チームとも大差で敗れました。トンガは日本に24-62、カナダはフィジーに10-63で敗退。しかし、すでにワールドカップ出場権を獲得している両国にとって、この試合はプライドを懸けた戦いです。
伝統あるトンガに対し、前回フランス大会の出場を逃したカナダは、Steve Meehan新ヘッドコーチの下でどれだけ成長したかを示したいところです。昨年の直接対決ではトンガが勝利しているだけに、雪辱を期す戦いとなります。
試合登録メンバー
トンガ代表(1-15): Siegfried Fisi’ihoi, Sam Moli, Ben Tameifuna(主将); Veikoso Poloniati, Harison Mataele; Tevita Ahokovi, Tupou Afungia, Siosiua Moala; Sonatane Takulua, Patrick Pellegrini; John Tapueluelu, Fetuli Paea, Salesi Piutau, Nikolai Foliaki; Josiah Unga
リザーブ: Sefo Sakalia, Leopino Maupese, Tau Koloamatangi, Tali Finau, Ephraim Tuitupou, Siaosi Nai, Uilisi Halaholo, James Faiva
カナダ代表: Calixto Martinez, Dewald Kotze, Cole Keith; Piers von Dadelszen, Izzak Kelly; Mason Flesch(主将), Siôn Parry, Matt Oworu; Brock Gallagher, Peter Nelson; Josiah Morra, Talon McMullin, Spencer Jones, Jack Shaw; Nic Benn
リザーブ: Austin Creighton, Emerson Prior, Kyle Steeves, Callum Botchar, Matt Heaton, Jason Higgins, Noah Flesch, Shane O’Leary
フィジー 対 日本
会場: アメリカ・ファースト・フィールド(ソルトレークシティ、ユタ州)
レフリー: Damian Schneider(アルゼンチン)
アシスタントレフリー: Luke Pearce(イングランド)、Robin Kaluzniak(カナダ)
TMO: Marius van der Westhuizen(南アフリカ)
準決勝を共に快勝で突破したフィジーと日本が、昨年に続く決勝で再戦します。
世界ランキングではフィジーが9位、日本が13位。ランキングポイントの動向に加え、トロフィーを掲げる誇りと威信が懸かる一戦です。
日本のエディー・ジョーンズ ヘッドコーチは大会前から「昨年の決勝(東大阪で41-17で敗戦)を超える」と宣言していました。一方、オーストラリア出身のMick Byrneヘッドコーチ率いるフィジーは、今大会を通じて徐々に調子を上げ、王者の座を譲る気はありません。
試合登録メンバー
フィジー代表(1-15): Eroni Mawi, Tevita Ikanivere(主将), Mesake Doge; Mesake Vocevoce, Temo Mayanavanua; Etonia Waqa, Elia Canakaivata, Viliame Mata; Simione Kuruvoli, Caleb Muntz; Taniela Rokuro, Inia Tabuavou, Kalaveti Ravouvou, Joji Nasova; Ponipate Loganimasi
リザーブ: Zuriel Togiatama, Haereiti Hetet, Samu Tawake, Isoa Nasilasila, Kitione Salawa, Samuel Wye, Kemueli Valetini, Isaiah Armstrong-Ravula
日本代表: 小林 賢太 , 江良颯, 竹内柊平; ジャック・コーネルセン, ワーナー・ディアンズ(キャプテン); マキシ ファウルア, 下川甲嗣, ファカタヴァ アマト; 藤原忍, 李承信; 木田晴斗, チャーリー・ローレンス, ディラン・ライリー, 長田智希; 中楠 一期 リザーブ: 佐藤健次, 祝原涼介, 為房慶次朗, ティエナン・コストリー, 奥井章仁, 福田健太, 廣瀬雄也, 中野将伍