MASTERBRAND_TAPE_GRAPHICS_GREEN_RGB_Desktop
MASTERBRAND_TAPE_GRAPHICS_GREEN_RGB_Desktop

RWC 2027最終予選へ挑む4か国主将、ドバイで決意表明

大会開幕を目前に控えた数日間、4か国のキャプテンたちがドバイの高層ホテルに集結。空気中に漂っていたのは、まさに「プレッシャー」そのものでした。

水曜日、ドバイで行われた男子ラグビーワールドカップ最終予選大会のキャプテン撮影会では、標高だけでなく緊張感も高まっていました。会場となったのは、世界で最も高いホテル「シエル・ホテル・ドバイ・マリーナ」の81階に位置する「タトゥ・ドバイ・スカイラウンジ」。

この急上昇する「圧力」の原因は、4人のキャプテンたちが手にしていたウェブ・エリス・カップ。それは、今後2週間、ドバイの「セブンズ・スタジアム」で戦う4か国(ベルギー、ブラジル、ナミビア、サモア)が追い求める究極の目標を象徴するものでした。

このうちの一国が、オーストラリアで開催されるRWC 2027への24番目となる最後の出場権を手にすることになります。18日、その夢をつかむチームが誕生し、他の3か国には苦い失望が待っています。

サモアとナミビアにとっては、それぞれ1991年、1999年以来続くラグビーワールドカップ出場の伝統を守る戦い。

一方、ベルギーとブラジルにとっては、出場を果たせば自国ラグビー史上最大の快挙であり、競技の普及・人気・スポンサー拡大における新たな高みへの挑戦となります。まさに失うものなど何もない戦いです。

「プレッシャー」の言葉口にした最初のキャプテンは、ベルギー代表キャプテンのJean-Maurice Decubber。同国史上最高のフランカーとも評される彼は、次のように語りました。

「最終予選大会に出場するのは初めてなので、今のところはまだそのプレッシャーを強くは感じていません。というのも、一戦一戦に集中していて、まずはナミビア戦に全力を尽くすだけだからです。

最終戦や出場権の話をする段階ではありません。まずはナミビア戦に勝って、そこからまた一つずつ積み重ねる。おそらくプレッシャーを感じるのはその先の段階でしょう。今は私たちのチームを信じていますし、特に大きなプレッシャーはありません。むしろそれが訪れるときは、目標達成が近づいている証拠ですから、チームにとって良いことです。」

ドバイの未来的な高層ビル群の中で、「プレッシャーを受け入れる」姿勢を見せたのが、トーナメント最上位ランク国サモアのキャプテン、Theo McFarlandでした。

特別な権利

サラセンズ所属の彼は、アサヒスーパードライ・パシフィックネーションズカップ2025で6位に終わり、その後チリとの南米/太平洋プレーオフにも敗れたチーム状況について問われ、率直に語りました。

「確かにタフな状況です。でも今回が最後のチャンス、最後の大会です。すべてのトレーニングと試合がこのためにある。プレッシャーは大きいですが、それはラグビーをする以上、常に付きまとうものです。大事なのは今に集中し、積み重ねてきた準備を信じること。日々の練習を重ね、週末の試合で自信を築くことです。」

マヌ・サモア(サモア代表)は次の10日間で、歴史的にラグビー愛好国として知られる母国を代表して戦うことに気負いを感じることはないでしょう。

「もちろん期待されているのはわかっています。これまで何度もラグビーワールドカップに関わってきましたから、プレッシャーは大きいです。でもここ数日のトレーニングは素晴らしかった。私たちは結果を気にせず、日々の準備に集中しています。焦らず、自分たちのプロセスにフォーカスするだけです。」

ブラジル代表キャプテンLorenzo Massariはサモアと行われるFQTの開幕戦(現地時間17:00、GMT+4)に向けて、「プレッシャー(Pressure)」ではなく「特権(Privilege)」という言葉を選びました。

「サモアのような強豪と戦えるのは、何よりも大きな特権です。しかもラグビーワールドカップ出場をかけた舞台で。これ以上の名誉はありません。私たちはこの夢のためにこの試合を選びました。これこそが最大の特権です。」

「10日間という短い期間で、試合ごとに回復するのは簡単ではありません。でもこれは選手なら誰もが夢見ること。ワールドカップ出場というもっと大きな夢に本当に手が届くところまで来ています。仲間たちに改めて話す必要もないほど、全員がハードワークしてきました。あとは土曜日、練習で積み上げてきたものをピッチで出すだけです。」

チャンスは一度しか訪れない

ナミビア代表キャプテンLouis van der Westhuizenは、究極のプレッシャー下でも冷静に対応し、口にしたのは“ガッツ(Guts)”という言葉でした。

「基本に立ち返ることが大切です。前回の予選では、重要な場面で単純なミスを犯してしまいました。だからこそ、基本を徹底して、コーチ陣のプランを確実に実行する必要があります。必要なのは根性です。簡単な戦いではありませんが、それがラグビーです。今ある状況で最善を尽くすだけです。」

ナミビアは現地時間19時30分から、好調のベルギーとの初戦に臨みます。

「ラグビーは不思議なスポーツです。ボールは丸くなく、どこに弾むか分からない。だからこそ、自分たちのゲームプランに集中し、それを完璧に遂行する必要があります。相手の個人能力を気にしても意味はありません。彼らもチームとして機能しなければ勝てない。私たちは全力を尽くします。準備はできています。これは最後のチャンス。もう後がない。だからこそ、すべてを出し切ります。」

全てを出し切る、という言葉こそが選手またコーチングスタッフの意気込みを代弁していると言えるでしょう。そして、彼らは次の1周半をかけて母国のラグビーワールドカップ2027出場への夢を懸けて戦います。

ドバイの朝日に輝くウェブ・エリス・カップを前に、Theo McFarlandはその思いをこう表現しました。

「それは信頼です。互いを信頼し、積み上げてきたものを信じること。プロセスを信じ、これまでやってきたことを信じること。そしてサモアのために戦い、文化と誇りを背負ってプレーすること。ハートで戦い、すべてをピッチに置いてくることです。」

すべてを出し切り、2年後の史上最大のラグビーワールドカップへの切符をつかむのか。それとも、次のチャンスを6年後まで待つことになるのか。これほどの「プレッシャー」はありません。

なお、ドバイで行われる最終予選大会の全試合は「セブンズ・スタジアム」で観客入場無料で開催され、現地に来られないファンも、RugbyPass TVまたは各国の放送パートナーを通じて世界中どこからでも視聴可能です。

RWC MASTERBRAND_GRAPHIC_BORDER_01_HERO_COLOURWAY_RGB
RWC MASTERBRAND_GRAPHIC_BORDER_01_HERO_COLOURWAY_RGB
RWC MASTERBRAND_GRAPHIC_BORDER_03_HERO_COLOURWAY_RGB