大きなストライドでタックラーを翻弄し、長い距離を一気に走り抜けるスピードはジャパンラグビートップリーグでも屈指。今回はパナソニック ワイルドナイツの藤田慶和選手の登場です。東福岡高校時代からそのアタックセンスは抜群で、7人制(セブンズ)、15人制の両方の日本代表で活躍してきました。早稲田大学在学中にラグビーワールドカップ(RWC)2015イングランド大会のメンバーに選出されましたが、出場したのは1試合にとどまり、悔しい思いも経験しています。日本で開催されるRWC2019を前に、藤田選手は何を思うのか。その胸中を伺いました。

ラグビーワールドカップ2019に出場するために
後悔のない準備をしていきたい

 RWC2019まで3年を切り、そこに行くまでの努力を積まなければならないと思っているところです。

 RWC2015では、日本代表のヘッドコーチだったエディー・ジョーンズさんに、将来の期待を込めて選んでいただいていた面が大きいと思っています。しかし、これからは、もっと必要とされる選手として選んでもらえるようになって行かなくてはいけない。RWC2015では、アメリカ代表戦に出場したものの、南アフリカ代表戦からは3試合連続で出場することができず、悔しい思いをしました。2016年も、リオデジャネイロオリンピック7人制(セブンズ)ラグビー日本代表の最終メンバーに残れず、バックアップメンバーには入ったものの、出場を逃しました。自分ではいい準備ができていると思っていても、結果的にはいい準備ができていなかったということです。

 振り返ってみれば、RWC2015も、2016年のリオデジャネイロオリンピックも、僕は、最終メンバーに入るか入らないかという、ボーダーラインのところで戦っていた気がします。RWC2019に向けては、すべてのラグビー選手に平等な4年という期間が与えられています。この歳月をどう過ごすかで、必要とされる選手になるのか、必要とされないのかが決まってくる。

 2019年に向けては後悔のない準備をしたい。試合が始まってから、火事場の馬鹿力のように力を発揮するのではなく、RWC2019の舞台で自分が積み上げてきたものを100%表現できるように頑張っていきたいと思っています。

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自分を成長させてくれる場所として
パナソニック ワイルドナイツを選んだ

 僕は昨年の春にパナソニック ワイルドナイツに入団しました。成長したくて、このチームを選びました。スタッフも選手もレベルが高いところで、ラグビーがしたかった。ラグビーに対する考え方も、僕とマッチしているところがありました。

 コンタクト重視のチーム、マニュアルを100%やるチーム、いろんなスタイルがありますが、パナソニック ワイルドナイツは、選手一人一人がよく考えてラグビーをしなくてはいけない。そのためのスキルも大切。そういう部分を重んじてやっているところに共感します。

 もちろん、レギュラーをめぐる競争は厳しいです。試合に出られなければ悔しいし、その悔しさがなくなったら、プロのラグビー選手ではいられません。自分に何が足りないのか、良いところをどう伸ばしていくのか、何を強みにしていくのかというところを普段の練習中からアグレッシブに、監督、コーチ、チームメイトに伝えることを意識しています。

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 パナソニック ワイルドナイツのロビー・ディーンズ監督にもたくさんのことを教わっています。「自分でワードを決めなさい」ということも言われました。そのワードを思い浮かべたら、自分にスイッチが入るというものです。

 僕はそのワードを「責任」としました。すべてのプレーに責任を持たなければいけないし、チームの代表として、責任を持ったプレーをすれば、チームに良い影響を与えることができる。FB(フルバック)はチームに勢いを与えられるポジションなので、そこも意識しています。

 ただし、プロだからラグビーは「仕事」だという感じでは取り組みたくなくて、「自分が好きでラグビーができている」という純粋な部分は大事にしたいです。純粋な気持ちをなくしてしまうと、学ぶ意欲もなくなってしまうのではないかと思うからです。純粋に一回一回の練習を全力で、というのは子供の頃から変わっていません。

 そして、この2年間で痛感したのは、「ラグビーは試合をしないと楽しくない」ということです。いくら練習で上手くいっても、試合に出られなければ楽しくはない。試合は自分が練習で積み上げてきたことを表現する場です。そこに立てないことが、ここ数年多かった。

 もっともっと試合に出るために努力をしなければいけないと感じます。これまでは当たり前に出られていたので、そこは変わったところですね。一つ一つの練習でも、競争相手に負けないようにしています。パナソニック ワイルドナイツでは、笹倉康誉選手を意識しています。笹倉選手の良い部分を盗みたいし、自分がどこで負けているのか、常に考えながらトレーニングしています。

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スーパーラグビー、ラグビーワールドカップ、オリンピック
子供の頃の夢を必ずかなえたい

 RWCは小学生の頃から見ていました。一番印象に残っているのは、RWC2003オーストラリア大会です。ジョニー・ウィルキンソン選手の決勝ドロップゴールで、イングランド代表が優勝した大会です。自分もいつかここでプレーしてみたいという思いが芽生えました。

 スーパーラグビーはもっと小さな頃から見ていて、オーストラリアのブランビーズが好きでした。ブランビーズの選手達がオーストラリア代表のバックスの中心だったので、スーパーラグビーでもプレーしたいと夢見ました。小さな頃の夢は必ず達成したい。スーパーラグビー、RWC、オリンピック、この3つが大きな目標です。そのためにまずは目の前の小さな目標をひとつひとつクリアしていきたいと思っています。

 日本で開催されるRWC2019に向けては、そこで自分が活躍しているところを想像しながら日々努力をしています。日本代表の中心選手として自分が活躍しているというイメージを持ってトレーニングしないと、モチベーションも上がってこないし、見えるところに目標を置かないと達成できません。

 2016年のリオデジャネイロオリンピックのメンバーから外れたときは、悔しかったし、応援してくれている人たちに申し訳ない気持ちも強かったです。なんで、もっと頑張れなかったのかという思いもありました。恩返しは、2019年と、2020年。15人制日本代表と、7人制(セブンズ)日本代表の両方狙っていきたいです。大変なことだとは分かっていますが、福岡堅樹選手は、RWC2015と、2016年のリオデジャネイロオリンピックの両方に出場しました。できないことはないと思っています。

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 そのために自分の強みであるアタックをもっと磨きたいですね。僕は、オールブラックス(ニュージーランド代表)のFBベン・スミス選手を一番尊敬しているのですが、あれくらい、チームに影響力のある選手になりたいです。これまであまり使わなかったショートキックなども駆使して、プレーの幅を広げたいです。

 エディー・ジョーンズさんの日本代表は、キックをあまり使わなかったのですが、ジェイミー・ジョセフヘッドコーチになって、キックも使って行こうというスタイルになっています。そういう部分も磨いていきたい。そして、自分の課題であるタックル成功率を上げていきたいです。

 RWC2019日本大会は、めちゃくちゃ盛り上がってほしいですね。渋谷のスクランブル交差点が大いに盛り上がり、各地のパブがラグビーを観戦する人で一杯になる。そのためにも、日本代表が頑張らないといけないですね。

 

インタビューはこちらの動画でもお楽しみいただけます。

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▼PROFILE:藤田慶和(ふじた・よしかず)
生年月日:1993年9月8日
京都府京都市出身
ポジション:WTB/FB
RWC出場歴:2015
所属:パナソニック ワイルドナイツ

▼ラグビー略歴:
小学3年生から京都のアウル洛南ジュニアラグビーフットボールクラブ(ラグビースクール)でラグビーを始める。洛南中学から東福岡高校に進み、1年生からレギュラーとして活躍。全国高校大会3連覇の中心選手となった。早稲田大学時代に7人制(セブンズ)ラグビー日本代表、15人制ラグビー日本代表に選出され、RWC2015にも出場。2016年春、パナソニック ワイルドナイツに入団。代表歴:高校日本代表、ジュニア・ジャパン、7人制(セブンズ)ラグビー日本代表、日本代表キャップ29(2017年1月現在)

Text by KOICHI MURAKAMI
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