2度目のW杯、静かに闘志燃やす田村

キック技術と広い視野でチームを初の8強へ導けるか

【東京・9月16日】日本が躍進した4年前は中心的な役割を果たせなかった田村優。キック技術と視野の広さを駆使しSOの主戦としてチームを未踏の8強へ導くことができるか。

前回大会の先発は唯一の敗戦となったスコットランドとの第2戦のみ。「ブレイブブロッサムズ」が歴史的逆転劇を演じた南アフリカ戦は終盤に途中出場し、この試合では五郎丸歩がキックで大活躍した。プレースキッカーの役割を引き継いだ田村は、さらに流れの中で豊富なキックを繰り出せるのも強みだ。

高校でサッカーからラグビーに転向した30歳は「(プレースキックを蹴るのは)大事な役割だけど僕は五郎丸選手じゃない。自分のスタイルをしっかり全部出したい」と話す。

パスと走力を前面に出した前任のエディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC)。転換を図ったジェイミー・ジョセフHCにとって、サイドへの大きな展開からゴロパスまでそつなくこなす田村の存在は大きかった。

4年前はSO3番手だった。今回は控えがW杯初出場の松田力也1人という中、同ポジションの主戦として大きな挑戦が待ち受ける。

1次リーグA組には同ポジションにアイルランドのセクストン、スコットランドのラッセルと世界屈指の名手もそろう。ただこの直接対決が1次リーグ突破を左右するというような考えで自らを追い込むことはない。

「ラグビーは15人でやるスポーツなので、僕もチームの中の一部。みんなでいい仕事をしないと一つだけのポジションでどうにかするのは難しいと思う」と落ち着いている。

W杯開幕2週間前の実施に首をかしげる声も聞かれた9月6日の南アフリカ戦。リベンジを狙うW杯優勝候補に、田村はキックとパスでボールを失い2トライ献上のきっかけにもなった。フィジー、トンガ、米国に3連勝しパシフィックネーションズカップを制した日本も現実に引き戻されたが、この大会直前の現状確認がロシア戦やその後に役立つと田村は確信している。

「点差ほどネガティブな内容ではない。たくさんチャンスもつくっているし、あとはちょっとの勇気や遂行力。やっぱりこだわるところは本当に細かいところだと改めて思った」と振り返り「この時期になんでこんな試合をとも言われたけど、終わってみてむちゃくちゃためになった」と収穫を口にする。

国民の応援を背に受け挑む大舞台へ。「成功するか失敗するか分からないけど、思い切り力を出せる大会が来た。(日本代表は)絶対自分のベストを捧げる場所。何のちゅうちょもなく何でもしたいと思えるチーム」と誇りを胸に挑む。

RNS mn/hh/dg