ウェールズVSフランス:ライバル対決5選

長年、互角に渡り合ってきたラグビー強国同士の記憶に残る試合を振り返る。

【大分・10月17日】20日に行われる準々決勝のウェールズ対フランスはW杯でこそ2度目だが、通算では98試合目。1908年の初戦以来、戦績はウェールズが50勝、フランスが44勝、引き分けが3試合となっている。

戦力が拮抗している2チームだけに、どの試合も手に汗握る展開だが、特に際立っていたのが以下の5試合だった。

1975年1月18日/5カ国対抗戦/パリ
フランス10-25ウェールズ

 この試合はウェールズのレジェンド、グラハム・プライスの代表デビュー戦だった。彼が挙げた見事なトライはファンの語り草になっている。

前半を17━7のリードで終えたウェールズは後半、ガレス・エドワーズが追加点を挙げた。しかしここからフランスが猛攻。ウェールズ・ゴールの手前20㍍付近での激しい攻防が続いた。

あわやトライかと思われたその時、ウェールズのロック、ジェフ・ホイールがフランスのボールをたたき落とした。それを取ったプライスは自陣から敵陣へ一気に駆け抜けてトライ。ボールを高々と投げ上げた。

1998年4月5日/5カ国対抗戦/ウェンブリー
ウェールズ0-51フランス

ミレニアムスタジアムが建設中だったため、ウェンブリースタジアムで行われたこの1戦の直前、ウェールズはスコットランドとアイルランドを下していた。その勢いを借り、5カ国対抗戦で2年連続全勝優勝を目指し、意気揚々と臨んだウェールズだったが手痛い目にあった。

フランスは前半、SOトマス・カスニェドやCTBステファン・グラらがウェールズの中盤を蹴散らし、4つのトライを決めて29-0として折り返した。後半に入り、ウェールズはシンビンが続き一時13人になる。その間、フランスは快調に得点を重ね、後半3トライ。そのうち1トライは現フランス代表のアシスタントコーチ、ファビアン・ガルティエが挙げている。

ウェールズンにとっては史上最悪の敗戦となった。

2001年3月17日/6カ国対抗戦/サンドニ
フランス35-43ウェールズ

フランスで何度か高得点で勝利しているウェールズだが、最多はこの1戦だ。

中でも、現フランス代表のコーチ陣に名を連ねるニール・ジェンキンスは実に28得点(1トライ、3PG、4ゴール、2DG)を挙げている。彼の後半のパフォーマンスは当時のグラハム・ヘンリー監督に「まるで魔法だ」と言わしめた。

2011年10月15日/W杯準決勝/オークランド
フランス9-8ウェールズ

ウェールズはサム・ウォーバートン主将がレッドカードを受け、約1時間を14人で戦うことになった。ウォーバートンが見舞った強烈なタックルでフランスのバンサン・クラークの足が宙に浮き、背中から激しく地面に落ちた。その結果のレッドカード退場だった。

それでもウェールズは食い下がった。残り23分では、ウェールズのマイク・フィリップスがこの試合唯一のトライを挙げる。しかし続くコンバージョンは外れ、さらにその後のPKもわずかにポールを逸れた。こうしたキックの不成功が響き、結局フランスが1点差で辛勝した。

ウェールズのウォーレン・ガットランド監督は2019年W杯のウルグアイ戦の後、「あの試合(2011年W杯準決勝)に出ていた選手たちは今も心を痛めている。しかしチームの真価を見せつけた試合でもあった。彼らは決して諦めない」と語っている。

 

2019年2月1日/6カ国対抗戦/サンドニ
フランス19-24ウェールズ

激しい雨の中、ウェールズの大逆転劇を締めくくったのはWTBジョージ・ノースだった。この勝利をきっかけに、ガットランド監督は3度目の全勝優勝を達成している。

フランスは前半、ルイ・ピカモルらのトライで16-0とリードした。しかし後半に入り、ウェールズがトモス・ウィリアムズのトライを皮切りに怒涛の反撃。フランスのヨアン・ユジェがファンブルしたボールをノースが押さえて、ウェールズがついに17-16と逆転に成功した。

その後フランスが再びリードするが、勝利の女神はウェールズにほほ笑んだ。フランスのセバスティアン・バハマヒナが投げたロングパスをノースがインターセプト。見事なハンドリングを見せてピッチを駆け抜け、値千金のトライを決めた。

ガットランド監督はハーフタイムの際、選手たちに「もし16点差をひっくり返せたら、そのまま全勝優勝まで突っ走れる」と話したという。そして、まさにその通りになったのだった。

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