オールブラックス、タイブレークの準備も万端?

7月のクリケット・ワールドカップ決勝でニュージーランドはイングランドにタイブレークの末、涙を飲んだ。RWCのタイブレークはプレースキック合戦。果たして史上初のタイブレークは実現するか?

【東京・10月24日】クリケットのワールドカップ決勝でイングランドが大接戦の末、タイブレークでニュージーランドを下したのは7月のこと。クリケットは両国でラグビーなどと並んで国民的スポーツだけに、ニュージーランドのスポーツファンにとっては何ともハートブレーキングな結末だった。

それから3カ月余り、オールブラックスは同じような運命だけは避けようと、今週末のイングランドとのラグビーワールドカップ準決勝が、延長でも決着がつかずタイブレークにもつれ込む可能性を考えて準備を始めているようだ。

「おかしなことも起こり得るからね」-。そう話すのはニュージーランドのスティーブ・ハンセン監督。RWCのノックアウトステージでは、80分の試合が同点で終わった場合、10分ハーフの延長戦が行われ、それでも決着がつかなければ、最初に得点したチームが勝ちとなる最長10分間のサドンデス方式の再延長戦が行われる。それでも勝敗が決しなければ、最後にピッチに残った選手の中から5選手を両チームが選び、22メートルライン上の定められた位置からプレースキックを蹴り、多く決めた方が勝ちとなる。

サッカーのペナルティーキック合戦のようなこの「キッキングコンペティション」がRWC史上初めて行われるような大熱戦が展開されるとなると、5人のベストキッカーを1時間50分に及ぶゲームの最後にピッチに立たせておかなければならない。 

実際に誰がキッカーを務めるかは想像するしかないが、ゴールキックを任されるボーデン・バレットとジョーディー・バレットの兄弟が5名の中にいると考えるのは当然だ。 

バレット3兄弟の残りの一人、フランカーのスコットは緊張で痺れるようなこのタイブレークの担い手として名乗りを上げている。イングランドとのゲームにはサム・ケーンに代わり先発することが発表されており、実現する可能性は極めて低いのだが…。

「まずバックスの中から2~3人…でも、フォワードの中でと言われれば、間違いなく僕だよ」とスコット。プロップのサミュエル・ホワイトロックはタイブレークに出るつもりは毛頭ないが、スコットについては「素質があるから」と太鼓判を押す。

完璧主義者として知られるハンセン監督は「(イングランド戦は)すごいゲームになる。楽しみだ」と述べ、ゲームがタイブレークまでもつれる可能性は限りなく低いとしながらも「準備しているかと聞かれれば、そのルールがある以上答えはイエスだ」と話す。

クリケットのイングランド戦の敗北をいさぎよく受け入れたニュージーランド代表の態度はスポーツ界で広く称賛され、オールブラックスにも大きな印象を与えた。

「結果は残念だったが素晴らしい試合だった。あのような接戦で敗れた後でも選手たちの態度は素晴らしかった。プロセスやルールが違っても、どんなことでも起こり得るからね」とホワイトロックは話した。

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