驚異の「gambatte(頑張って)ラグビー」

流れるような動きで、時に電光石火の攻撃を見せる。日本のラグビーは今「gambatte(頑張って)」スタイルと称されている。

【東京・10月4日】オランダのサッカーは「トータル・フットボール」と呼ばれたが、今の日本のラグビーは「gambatte(頑張って)ラグビー」である。少しでも遠くへ、少しでも強く。そして、頑強な壁に次々と突っ込んでいく―。

この哲学が第1、2戦を制して快調な日本を導いている。

彼らのラグビーは多彩だ。

これから、日本と対戦するサモアとスコットランドのアナリストは、日本のラグビーの分析に余念がないことだろう。ほとんどのチームの分析はステレオタイプだ。「日本の攻撃には流動性があるが、守備には疑問が残る」「崩しづらいが独創性に欠ける」「カウンター攻撃を仕掛けてくるが万全ではない」等々。

実際はそうではない。日本の攻撃が流動性に優れていることは確かだが、一方でタックルの成功率も90%を記録している。カウンター攻撃もするが、今大会2試合を終了し、5トライのうち、2トライはセットプレーから挙げている。またもう1本はフェーズを13度重ねた末のトライだ。

日本はラインアウトの際、後方にボールを入れる傾向がある。後方にボールを投げ入れることにはリスクがあるが、即座に攻撃につなげられ、相手の守備の手薄な部分をつけるというメリットがある。

上の動画で、日本は後方にボールを入れ、わずか5秒後にはラインアウトから43㍍離れたところでボールを回し、ディフェンスの手薄な部分をついている。

 日本はラインアウト時に後方でもボールを取れるという自信のもと、ピッチ中央にフランカーの姫野和樹を配している。ボールを受けた姫野はアイルランドのバックス2人に突っ込み、あっさりとゲインラインを突破した。 

 上の動画は、ラインアウトを想定して守ろうとしたロシアの裏をかき、日本が素早くボールを入れて、6秒後には54㍍離れた場所でラックをつくっている。

一方、下の動画では日本の攻めの速さ、巧みさが見て取れる。

どんなチームでも、FWは得てして強靭だが動きが遅く、素早い動きよりタックルを得意としている。そのため、守備では「FWがタックルをして、バックスが広がって守る」という形が理想だが、展開が早く、端から端へと目まぐるしくボールが動いていく中ではそうはさせてもらえない。

日本は20秒間に7回パスを出し、3つのラックを形成している。尋常でない動きだ。「ラグビーの醍醐味はダイナミックな動き」という人には、日本の試合はうってつけだろう。多くのパスを回し、次々とラックをつくっていくことに関しては、この大会で日本の右に出るチームはない。

上のプレーで、アイルランドは日本のスピードについていけず、ペナルティーを犯してしまった。このスピードは他のチームにとっても脅威だろう。先ほどのラインアウトの例などを見ても、日本を相手にすると、思い通りの守備をさせてもらえないことがよく分かる。

こうした日本のラグビーには、既に2チームが「犠牲」になった。サモアとスコットランドが同じ轍を踏みたくないのなら、多彩な攻撃や驚異的なスピード、そして「どこからでも攻めてやる」という精神に対応できるようなチームづくりが必要となる。彼らは「ガンバッテ・スタイル」を破らなければならないのだから。

RNS sl/sdg/ajr/ci/hh