スピード、パワー、そして一体感。イングランドはRWC2025の第2戦でも期待通りの強さを発揮した。
試合の流れ
雨で滑りやすいコンディションをものともせず、過去60テストで59勝という驚異的な戦績に裏打ちされた完成度の高いラグビーを披露。開始3分でセンターのMegan Jonesが先制トライを奪い、さらにもう1本追加した。
2本のトライの合間に、ウイングのJess Breachが代表通算50トライ目となる華麗なフィニッシュを決め、節目の記録に到達。
30分経過時点でスコアは40-0。大差がついたが、ここからサモアが意地を見せる。自陣からピッチを駆け抜ける大きな攻撃を見せた後、Harmony Vatauがペナルティゴールを成功させ、ついにサモア女子代表がワールドカップ初得点を記録。この日一番の大歓声がスタジアムを包んだ。
しかし、それでもイングランドは揺るがない。フォワードのパワーとバックスのスピードを融合させ、後半にはさらに7トライを追加。Breachがハットトリックを達成し、控えSOのHelena Rowlandはトライに加え11ゴールを決め、驚異の27得点を挙げた。
Mastercard プレイヤー・オブ・ザ・マッチ
初先発でSOを務めたHelena Rowlandが堂々の受賞。普段慣れないポジションながらも1トライ・11ゴールという大活躍を見せた。
「とても満足しています。天候は味方してくれませんでしたが、上手く適応して要所で良いラグビーを展開できました。メンバーを大きく入れ替えたにもかかわらず、一体感のあるプレーができたのは大きな成果です。」
「フランクリンズ・ガーデンズでプレーするのは、クラブでも代表でも特別なこと。観客の雰囲気も最高でした。今日はSOで出場し、しっかり仕事をすることが目標でしたが、それが果たせて嬉しいです。」
ヘッドコーチのコメント
イングランドのJohn Mitchellヘッドコーチは笑顔で試合を振り返った:
「立ち上がりからのエネルギーが素晴らしかった。序盤は非常に精度が高く、やるべきことを徹底してくれました。大量得点が入ると気が緩むこともありますが、再び立て直せたのは大きいです。
今日はワールドカップ初出場の選手が11人。ほぼ全員が大会にデビューできました。選手層の厚さが際立った試合でしたね。」
一方、サモアのRamsey Tomokinoヘッドコーチも敗戦の中に手応えを感じていた。
「ところどころでは良いプレーができました。ただ、イングランドのようなクラスの相手に押し込まれ、エラーを誘発されました。普段このレベルで戦う機会が少ない私たちにとって、厳しい一戦でした。
それでも、初得点を挙げるなど小さな目標を達成できました。メンバーの中には母親や仕事を休んで参加している選手もいます。言い訳はせず、成長するのみ。今後もフィジーなどと同様に、より多くの強豪と戦う機会を得ていきたいです。」
今日の記録
イングランドWTBのClaudia Moloney Macdonaldはボールキャリーで150メートルを記録。これはロンドンの象徴「ビッグ・ベン」の高さの1.5倍に相当する。
次の試合
イングランドは次戦、プールA最終戦でオーストラリアと対戦(9月6日・ブライトン)。既に準々決勝進出を決めているが、首位通過をかけた重要な一戦となる。
サモアはヨークへ移動し、アメリカと対戦予定。情熱溢れるプレーでさらなるファンを魅了したい。