10トライを含む60点以上のスコアはニュージーランドにとって順当な勝利を示していますが、時折、日本はブラックファーンズを本気で動揺させる場面もありました。
試合の流れ
満員の観衆を喜ばせたのは、日本が先制したことでした。完璧な立ち上がりで6度の優勝チームを驚かせました。まずフォワードがペナルティを獲得し、その後見事なボックスキック、確実なラインアウト、素早いモール、そしてウィンガーの畑田桜子の素晴らしいフィニッシュが続きました。
後半も日本は同様のスタイルでスタートしました。試合を通してニュージーランドに脅威を与えたローリングモールで追加得点を奪いました。この流れが後半のトーンを決め、ブラックファーンズのコーチ陣にとって懸念材料となりました。日本は40分間で53%の領域支配を記録し、攻撃のポイントを多様化させる一方で、ニュージーランドからはミスも出ました。
もちろん、2連覇中のチャンピオンに明るい材料もありました。火花が必要な時、国内史上最高のトライスコアラーがいるのは心強いことです。Portia Woodman-Wickliffeは試合開始12分時点でチームが0-5とリードを許していた状況で、日本陣10mライン内でボールを受け取り、フェイント、ハンドオフと2人のディフェンダーをかわし、ニュージーランド選手として史上最多の50回目のテストトライを達成しました。
これに刺激された若手選手たち、18歳のBraxton Sorensen-McGeeと21歳のJorja Millerが活躍しました。両選手はチームメイトの偉大さを見せつつ、自身も得点力を発揮。フルバックのSorensen-McGeeはハットトリックを達成し、7人制女子年間最優秀選手のMillerも2トライを挙げました。
しかし、ブラックファーンズにとっては、最終プール戦アイルランド戦に向けて改善点は多く残っています。
Mastercard プレイヤー・オブ・ザ・マッチ
ハットトリックを達成したニュージーランドのBraxton Sorensen-McGeeの活躍は数字以上のものでした。171mの走行距離が示す通り、試合のあらゆる場面で存在感を示しました。さらに4回のコンバージョンも成功させましたが、これはおまけに過ぎません。
「信じられません。伯母に会えて涙が出ました」と試合後、Mastercardプレイヤー・オブ・ザ・マッチは語りました。
「チームメイトのおかげです。ほとんどのトライは彼女たちが作ってくれました。自分に自信があるからこそです。チームメイトは私を支えてくれて、自信を持たせてくれます。」
コーチのコメント
ニュージーランドのヘッドコーチAllan Buntingは、ここまでのチームの進歩に満足しています。
「選手たちは良いプレー時間を得ました。全員が試合に出場しましたし、これを基盤にさらに構築できます。ただ、規律面が失点につながったところは改善が必要です。若いBrax(Braxton Sorensen-McGee)がピッチで輝く姿を見れて嬉しかったです。まるで小さな星のようでした。」
「選手たちのマインドセットは素晴らしいですが、まださらに成長する余地があります。」
一方、日本のヘッドコーチ レスリー・マッケンジーは、誇りと来週への大きな期待を語りました。
「本当に選手たちを誇りに思います。素晴らしいチャレンジでした。今週も、夏の間も、この試合に向けて準備しました。世界王者と同じプールで対戦するのは良いテストです。その価値にふさわしいプレーをすることを話し合いました。」
「混乱の瞬間や少し悔やまれる失点もありましたが、全体としては非常にポジティブなプレーが多く、領域の賢い使い方もできました。衝突の場面では素晴らしい個性と意図を示しました。
来週は日本のベストを見せたいです。」
今日の記録
Sorensen-McGeeのハットトリックは、ラグビーワールドカップ2025の14試合で8回目の達成となりました。
次の試合
ニュージーランドの勝利により、プールCの最終戦で対戦するアイルランドも含め、両チームの準々決勝進出が決定しました。この対戦(キックオフ 9月7日(日)14:45(英国時間)、ブライトン)は、どちらが1位シードで進出するかを決める試合となります。
一方の日本は、成長著しいスペインとの対戦(キックオフ 9月7日(日)12:00(英国時間)、ヨーク)が控えており、RWC 2025での勝利を目指す注目の一戦となります。