フランスは先発メンバーを11人入れ替えて臨みましたが、意欲的に戦ったブラジルを相手に冷徹かつ圧倒的な試合運びを見せ、ライバルに強烈なメッセージを送りました。
試合の流れ
フランスは初戦のイタリア戦で見せた緩さを反省したのか、エクセターでの日曜午後は全く異なる姿を披露しました。前半だけで9トライを重ねるという臨機応変かつ臨戦態勢の「レ・ブルー」は、序盤から攻め立ててほとんど手を緩めませんでした。
復帰した2人の選手がチームを引っ張りました。象徴的なスクラムハーフ、Pauline Bourdon Sansusは試合前の注目を一身に集めていましたが、最終的には同志のEmilie Boulardとともに見出しを分け合うこととなりました。フルバックのBoulardは巧みなステップで先制点を奪い、その後Bourdon Sansusが鮮烈なトライを決め、さらに巧みなキックでウィングのKelly Arbeyのトライを演出しました。
小柄なスクラムハーフであるBourdon Sansusは、試合のベストトライにも大きく関与しました。自陣深くでパスを受けると一気に相手ディフェンスを引き裂き、走り込んだBoulardへパス。BoulardはキャプテンMarine Menagerへ絶妙なインサイドパスを送り込みました。
一方ブラジルにとっては忘れられない瞬間が訪れました。粘り強さと積極性で観客を沸かせ続けた彼女たちに、64分目にボールが交代出場のBianca Silvaへ渡ると状況は一変。何も起きそうにない場面から鮮やかなダミーでフランスのディフェンスを翻弄し、40メートル以上を独走して歴史的なトライを記録しました。
しかしその歓喜も束の間、フランスはさらに後半5トライを加え、次戦以降の選考に嬉しい悩みを残す結果となりました。
Mastercard プレーヤー・オブ・ザ・マッチ
スクラムハーフのPauline Bourdon Sansusは、チームにテンポと方向性を与え、アシストと自らのトライで存在感を発揮。文句なしで「Mastercard プレーヤー・オブ・ザ・マッチ」に選出されました。
「プレッシャーは感じませんでした。ただ戻って自分ができることを見せたかった。2試合の出場停止を経て復帰できて本当に嬉しいです。脚に炎が宿っているようで、すべてを出し切りたかった」とBourdon Sansusは語りました。
「1か月半前に息子のArthurを出産しました。彼が私に大きな力を与えてくれています。
このチームにはエネルギーがあります。集中して臨めば必ずうまくいきます。」
ヘッドコーチのコメント
フランスのGaelle Mignotヘッドコーチは、印象的な勝利にも浮かれることなく次戦へ集中していました。
「この試合は自分たちのリズムを作り、プレーを発揮し、力をつける機会でした。そしてそれを達成できたと思います。選手たちは喜んでいますが、これは次のステージへの一歩にすぎません。次の南アフリカ戦が重要です。グループ首位で終えたいので100%集中して臨みます。」
ブラジルのEmiliano Cafferaヘッドコーチは、未来に目を向けています。
「前半は選手たちにとって衝撃的でした。後半は少しできることを見せて、トライも奪えました。選手たちを誇りに思います」と語り、さらにBianca Silvaのトライについてこう述べました。
「彼女のトライがブラジルのラグビー成長のきっかけになることを願っています。私たちの選手は全員セブンズ出身ですが、15人制も大きく成長しています。厳しい3試合を戦うためにここに来ました。次もトライを挙げ、もっとボールを保持したいです。」
今日の記録
数字は「1」。
ブラジルは試合を通じてラインブレイクがわずか1回。しかしそれは決して忘れられないものでした。Bianca Silvaが3人のフランス選手をダミーでかわし、自陣深くから独走して歴史的なトライを決めた瞬間です。
次の試合
フランスは9月7日(日)に南アフリカとのグループ首位決定戦に臨みます。この試合結果がプールDの中でどのチームがトップシードとして準々決勝に進出するかを決定します。
ブラジルはポジティブな勢いを維持しながら、南米の若い世代に夢を与えるべく、次戦イタリア戦で再びトライを狙います。